世界大会で頭角を現す子供達

 

Question

 

ジュニア女子世界一が結構日本にいるのですが

なぜか高校生くらいから欧米選手に抜かれてし

まい影を潜めていまうのでしょうか?

 

今年、弥勒ちゃんがプロの大会で二回とも最下

位だったのですが、世界大会で何度も優勝し、

スポンサー契約だけで数億円とか聞いたのです

が、小学校の時の実力は通用しないと言う事な

のでしょうか?

 

高橋先生はこれらの現実をどう解釈されている

のか一度お聞きしたいと思っていました。

宜しくお願い申し上げます。

 

Answer

 

ゴルフはほとんど再現性ですので、練習量やそ

の環境があって本人が夢中になっていれば、か

なり上位に行く事が出来ます。

お父さんと一緒に時間が過ごせるなら期待に応

えようとするのが娘で、構ってもらいたいがた

めに言われた通りにするのです。

 

ただ本人がゴルフが好きになる事が最初の条件

で、次は大会に出る事でライバルや競争心など

が現れ、練習の甲斐があって努力が報われれば

自主的にゴルフをするようになります。

 

ところが、再現性だけで上手くなって優勝して

世界一になっても、飛距離や引き出しがないが

ために途中で欧米選手に抜かれる事は子供達に

限らずトッププロでもあるのです。

 

飛距離を出す技術、そして引き出しを増やす技

術を教えるコーチが日本にはいないので、余計

な練習で時間を無駄にしたり基本に沿わない振

り方で下手を固めてしまう子供達が大勢いるの

はとても残念な事です。

 

再現性だけではどうにもならないと気が付くの

は遅い人だとプロになってからで、その時に大

改造をすると 5 年間を無駄にする事になって 9

割りは失敗し、改造しないとシードを失って試

合にすら出られずに消えて行くのです。

 

子供はお父さんが遊んでくれている嬉しさで小

学生までは頑張るのですが、思春期に入るとウ

ザい存在ですので、そこからは有能なコーチに

バトンタッチしなければなりません。

 

ところが、素人のお父さんが子離れ出来ずに娘

にいつまでもコーチずらをして重要な時期に習

得しなければならない番手間距離の出し方やス

ピン量を替えた打ち方なども教えず、そのまま

プロ試験を受けてしまうのです。

 

何よりの障害はスポンサー契約です。

ジュニアで頭角を現すと契約金が入って来るの

で親は仕事を辞めても悠々と暮らせるため、家

を買い替えたり練習場を買ってトップクラスの

環境を与えているのですが、肝心の技術がない

ので、プロに成っても試合に出られない人や試

合に出ても崩して引退、改造して失敗して引退

したり、スコアが伸びずに転落と言うゴルフ人

生を送っしまうのです。

 

親にしてみれば契約金は重要ですが、そのため

に世界レベルの内容に改造する機会を失い、そ

のまま大人になってしまって引き出しの少ない

選手に仕上がってしまいます。

 

最近は世界ジュニア女子で優勝、準優勝を取る

女の子が日本にはいるのですが、再現性だけで

のスコアですので、今後欧米選手に抜かれるか

どうかは弥勒ちゃんの時と同じ印象です。

 

残念ですがアメリカの王御所達はほとんどのお

父さんがスクラッチ以上の経験抱負で実力のあ

る人達ばかりです。

彼達はトッププロになるには何が必要か知って

いるために、その技法を教えてくれるコーチを

師事して子供を育てるのですが、趣味程度でし

かゴルフをした事がない親達はその技術が何で

あるか、なぜ必要なのかすら知りません。

 

トッププロになるために必要な内容はそれを知

っている人から習うしかないのです。

日本には人材も環境もあるのですが、ないのは

その技能です。

ジュニアを育成している親御さん達がいつそれ

に気が付くかで子供がどこまで伸びるかが決ま

ると思っています。