パワーシフトで飛距離を伸ばす
Question
テイクバックからトップに入ったタイミングで
右足に体重がのり、右股関節に入った状態が正
しいスイングかと思いますが、右股関節に入ら
なかったり、入りが浅いとスイングにおいてど
のような弊害がありますでしょうか?
Answer
ウエイトシフトと言われている体重の切り替え
すなわち体重移動ですが、テイクバックでは打
法にもよりますが一旦右足に乗ります。
この時に股関節の上に上半身が乗っているよう
な感覚の事を仰っているかと思うのですが、6
割から 8 割右に移動し、そこからシフトに入
ります。
ここで大きく分けて 3 種類の切り返しをご紹
介致します。
まずはトップで右カカトに体重が乗ってから右
サイドの力を抜く技法です。
右肩を落とし、腰を左に移動しながら右膝を内
側に入れるのですが、力は一切使わずにただ力
をフッと抜くだけです。
これで逆 C の形に体が弓になってインパクト
まで右サイドだけ落ちて行くのと同時にクラブ
を下ろす打法です。
次はトップでヨジリを入れて右膝を意図的に内
側に入れながらサイドベンドを入れて胴体を弓
にし、右サイドの張りを大きくする技法です。
これは前者よりも飛距離が出る打法でインパク
ト前に腰引きや左膝を伸ばす速度を上げればさ
らに飛びます。
そして、最後は右足のプッシュです。
これはフルスイングに組み込まれる動作ですが
ヨジリで右足のカカトが浮き、前屈に腹筋を使
い、体重移動をしながら右足のフクラハギのバ
ネで地面を踏みつける技法です。
飛球線後方を向いたまま右足のプッシュで強制
的にヒップスライドを行い、同時に腹筋で前屈
をすると、腰はほぼ左の壁まで移動しているの
に右足のつま先に体重がほとんど乗ります。
これがパワーシフトです。
腰は左に位置して上から圧縮する力が入って地
面を踏みつけますので勝手に体は目標方向に押
し飛ばされます。
これが右足で体を移動させるプッシュで、タイ
ガーはクリニックでこれを解説していました。
( Push Forward )
これは右足の蹴りとは別で、踏みつけの直後に
左足の蹴りが入り、最後に右膝を伸ばす蹴りが
入ります。
この 3 つの動作が微妙にズレて順序良く行われ
る事でパワーが出るのです。
したがって、このパワーシフトで重要なのは腰
の位置で、踏みつけ時に腰が右過ぎるとフクラ
ハギのバネによって上に飛んでしまいますので
ある程度腰は左にしておく必要があります。
しかも、右サイドベンドには右サイドを縮める
動作が入りますので、自然の重心移動にプラス
体全体の張りによるパワーが生まれます。
このように飛距離を出す打法ほど使う部位や動
作が増えますので、体重移動もその一つと考え
ると飛ばす必要がない打法には必要なく、特に
マックスで振りに行く時などはスタンス幅を広
げて体重移動を大きくして飛ばすなど、体重を
使う事での影響は考えられます。