何で手打ちではダメ?

手打ちは 2 割の筋肉しか使っていない


Question

 

7 番アイアンで 160 Y、 5 番で 175 Y ぐらい、

これは手打ちの可能性ありますか?

飛距離ってどのくらい出すと手打ちではなくな

るのですか?

また、何で手打ちではいけないのですか?


Answer

 

手打ちは飛距離で判断しません。

基本としては体を使って体の動きで手が動く事

で、体と一体になって動く事です。

 

良く、手が常に体の正面にあるようにとの解説

があるのですが、実際にはズレて手は後から遅

れて来ます。

しかし、理想は腕は固めておくだけで体で動か

しますので意識としては常に正面です。

 

アイアンの飛距離などはセットによってロフト

角が違い、コントロールショットとフルショッ

トでは 30 Y ほど違っていますので、比べる基

準にはなりません。

 

手打ちとは体や脚を使わずに手と体がバラバラ

に動いて、手だけでスイング軌道を作って振る

と定義しましょう。

これに腰の開きを一つ入れるだけで手打ちでは

なくなると言えるかも知れませんし、脚や胴体

の動きが入らないと手打ちだと言う人もいるか

も知れませんがそれは問題ではありません。

 

まず、手打ちはなぜ悪いかですが、腕の力は僅

か 1 - 2 割程度だからパワーが出ないと言う事

が一つあります。

 

人間の筋肉の 7 割は下半身だと言われており、

腹筋などの胴体の筋肉を入れるとほぼ 9 割にな

り、残りの筋肉だけで打つ事になります。

 

しかも、腕の筋肉は縦は強いのですが、横に動

かす筋肉はほとんどありません。

腕を使った作業として薪割りや杭打ちがありま

すが、袈裟切りと言って右肩から左腰に掛ける

袈裟のラインに引き落とす居合い切りが一番力

が出る動作です。

 

これはゴルフも引き落としとしてこのラインの

軌道を取ります。

しかも、横の力は脚腰などの体で回転をさせて

この腕の縦の力と合成されて斜めのスイング軌

道が成立します。

 

体は横の動き、腕は縦と言う分業によって、そ

れぞれの得意な動作を合わせて作るのがゴルフ

のスイングです。

 

したがって、無理なく全身の筋肉を使って振る

事でたっぷりと余裕のある動作になります。

これは手だけで斜めの軌道を作るスイングとは

雲泥の差があり、よりパワフルでより正確に動

かす事が可能です。

 

体を使ってゆったりと振った時の方が方向やミ

ート率にバラ付きが少なく、方向性も安定して

ミスが減る確率が高くなります。

 

マチュアのマンブリは力みとして見えるので

すが、プロが強振してもマンブリ感がなく、そ

れで 200 Y に対して 300 Y の飛距離の差がある

のです。

 

体全体を使って弓状にして、体のバネを使うと

その張りが使え、各部位の時間差によってムチ

のような効果が出ますので、飛距離は力ではな

いと言う実感があります。

 

手振りは当てに行く時に力が入ってこれが力み

になるのですが、手を使わずに体で打つと勝手

にヘッドスピードが出てしまいます。

 

これがスイングは「力じゃない」と言われる由

縁なのです。

これが効率であり、機能的な美しさがあって、

トッププロのような実力が付く最初のステップ

だと言えるでしょう。