石川選手と松山選手の違いは?

 

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保守派と革新派、どちらもメリットをどう活かすか

 

Question

石川遼松山英樹、どうしてここまで差がついてしまったのでし

ょうか。

元々の素質といえばそれまでですが。

身体も小柄で筋肉量も少なそう。

それ以外に何かあるのでしょうか。

 

石川遼も最初は賞金王や海外の大会にも招待されるくらいだった

のに、すごく松山選手と差がついてしまった様な。

最初の活躍はまぐれだったのでしょうか。


出入りの多いゴルフだったので安定感に欠ける嫌いはあったとは

思うのですが。

素質。体の大きさ。筋肉量の違い。イップス

 

Answer

私らがそれを語る資格はありませんが、逆に他人でなければ気が

付かな事があるかも知れません。

 

どちらも日本の宝と言われるほど上手い選手で、世界でも十分に

通用するだけの実力がある選手である事や、最大限に努力してい

る事はゴルフを知っている人なら誰も認めるところだと思います。

 

ただ、二人の違いは成績を上げる方法だったと思います。

 

一時は石川選手の方が成績的には上で松山選手が後を追いかけて

いるという時期も確かにありました。

 

石川選手がアメリカに行って現地を拠点に頑張っていた時期など

は、松山選手はまだスポット参戦で、日本でのポイントでその資

格を得ていたのですが、その後トレーニングなどを重ねて筋力を

増やし、飛距離を伸ばして300Yほど出せるようになりました。

 

石川選手はグリーン周りは一本で処理すると、当時は語っていた

のですが、あまりにもミスが多いので寄せの引き出しを増やすよ

うになり、飛距離を伸ばさないと通用しないと言う事が分かって

改造し始めました。

 

ところが、ショットの改造は試行錯誤で、半年試してうまく行か

ないと次の改造を始め、また半年すると違う動作を入れると言う、

試し打ちをするようになって行きました。

 

インタビューでもその新しい動作や改造の話が多くなり、コーチ

もつけずに我流で模索している彼を心配していました。

せっかくアメリカに居るのだから、何で世界のトップ10のコー

チを雇わないのか不思議でした。

 

そして、改造を何度も繰り返していた彼はシード権を失い、そし

て下部ツアーに落ち、そこでも出場資格を失って帰国しました。

残念な事に未だに改造を続けています。

 

一方、松山選手は目立った改造はせず、ただひたすら筋力だけを

付けて、グリーン周りの寄せでは頑なに FW からの寄せと同じ打

法で何度失敗しても10年近く引き出しを増やそうとすらせずに、

ショットが安定してきて成績が上がるようになりました。

 

そしてマスターズに勝つまでは毎日1~2打良ければ優勝と言う

所まで腕を上げており、その1打をどこで稼ぐかと言う段階にま

で来ていました。

 

ロングパットの返しラインを見ていれば3パットが減る、ラフか

らの寄せの引き出しを増やせばボギーが減る、ティーショット時

のアライメントを治せばミスショットが減るなど、どこを改善し

ても、その一つだけでスコアが4~8打良くなる計算でした。

 

そして、今年のマスターズで松山選手は、その中の一つ、深くて

重いラフからの寄せがなかったのです。

そもそもオーガスタのグリーン周りは短く刈ってあるのです。

しかも、林に打ち込んだ打球はみなFWに戻ってきて、4日間と

も幸運日だったのを見たのは渋野選手の全英優勝以来でした。

 

松山選手は FW からの寄せは藤田選手が絶賛するように世界でも

指折りの上手さを持っているのですが、深いラフからはほとんど

半分ショートというミスが目立っていました。

この引き出しが増えたら全米や選手権も期待できると思います。

 

どちらの選手も日本を代表するスター選手です。

10年前に世界のトップコーチを雇っていれば、どちらもとっく

にメジャータイトルを取っていたと思います。

 

色々な考え方や価値観はあるかと思いますが、本人には見えない

落とし穴もまたあると思います。

私の目からはどうしてもこう映って見えてしまうのです。

 

どちらもまたいくらでも伸びる選手だと思っていますので、老化

するまでに寄り道せずに、一日も早く軌道修正をして欲しいと思

います。