松山選手と石川選手の差

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ゴルフは革新派と保守派の両方の良いところが必要

Question

松山選手と石川選手の差が開いた要因は何ですか?


Answer

学生時代から良きライバルだった仲間の二人は追いつ追

われつで刺激し合っていました。
ところが、今は松山選手はアメリカで活躍するようにな

り、石川選手はシードを落として帰国してまた復活を狙

っているところです。

 

この差はスイングの再現性だと思います。
石川選手はこの 10 年間、納得が行くスイングを目指し

て試行錯誤しています。
良い動作や形などを真似する事を優先し、再現性を捨て

て改造改造で理想を追求しています。

 

良い物を取り入れるのは良いのですが、ゴルフのスイン

グは最終的には再現性ですので、 3 年は掛る定着度を捨

てて、また1からやり直すのは本来はご法度と言うのが

この世界です。

 

再現性は打法や形、動作や技術ではなく、単に同じ事を

何度も反復する事でしか高まりません。
これは定着度であって、最初の段階は同じ動作を毎日 60

回 21 日間行うと定着するのですが、最終的には無意識

レベルの潜在脳に記憶される事であり、これは良く外出

して、突然家に鍵を掛けてきたかどうか思い出そうとし

ても思い出せず、戻ってみたら鍵が掛かっていた、と言

うレベルです。

ゴルフはこのレベルの潜在脳的記憶が必要で、これは長

年の積み上げによって培われた技能です。

 

また、引き出しの数に差があるとしたら、石川選手は寄

せの小技の引き出しをかなりアメリカで増やしています

が、松山選手は飛距離を伸ばし、アプローチの精度を上

げています。

 

アメリカで平均飛距離が 300Y の人と 310Y の人達の収入

は倍の差があるそうで、この 10Y の差が物を言うという

人がいました。

 

確かにそのアドバンテージはかなりのもので反論はない

のですが、それプラス、飛距離を追究して伸ばした人は、

それだけ全ての事でも拘りが強く、ベタピン率を上げる

ショートアイアンの番手間の出し方などの引き出しも多

いのかも知れません。

 

二人の会話を聞いていると、とても謙虚なのか自信なさ

げな会話になっているのですが、石川選手は打法で言う

と、トップでの引っ張り合いや腰を止めたワインディン

グなどの欧米の技術を取り入れて飛距離も伸ばしてきま

したので、そろそろ仕上げに入って欲しいと思います。

結果が出るのは改造を辞めてから 2 ~ 3 年後です。

 

松山選手は今のスイングを崩さない事を念頭に置いて、

シードを落とさないようにして欲しいと思います。
それ以上を求めるのでしたらショートアイアンの精度を

上げる事だけで、打法自体は崩さないようにしてもらい

たいと思います。