体全体が弓になって張りが出る
Question
タメと言うと左腕とシャフトのコックの度合い
だと思っていたのですが、トップでそれを作る
とはどう言う事なのでしょうか?
ダウンスイングだけではないのですね?
Answer
高橋塾ではタメとはエネルギーを貯める意味と
して定義しており、言い換えれば張りの事で、
筋肉の全てに作る事が出来るとしています。
トップでそのタメを作るには 2 つの技法があ
り、一つは松山式でトップで一旦止めて、そこ
から肩を止めたまま腰を開いて捻転差を作る事
でタメを作りながら振り下ろす技法、2 つ目は
パワーシフトと言ってトップに上がりきらない
うちに下半身はダウンスイングが始まっている
事で引っ張り合いをしてエネルギーをタメる振
り方です。
欧米打法はほとんどのトップ選手は後者で、止
めるのは矯正ドリルや飛ばさない打法など、タ
イミングが合わせやすい事から今ではコントロ
ールショットなどで使われています。
この違いは体の左サイドの張りの大きさです。
後者はテイクバックでトップに収まる前に下半
身は始動している事で上半身は逆捻転をして張
りが強くなり、それだけで 58 度でも 10 -15 Y
ほど飛距離が伸びます。
これは飛ばしの技の一つですので、基本動作が
出来た方は挑戦されると良いと思います。
ただ、やりすぎると腰を痛める事がありますの
で中高年の方は要注意です。
武道は相手に読まれないように瞬時に動作を開
始する事から予備動作は入れられませんし、野
球でも球が速いので瞬間に反応しなければなり
ませんが、ゴルフは体をしならせたり時間差で
ゆったりとタメを作る事ができます。
また、切り返しで右足の踏みつける事でヒップ
スライドも入れて胴体を弓状にする事でもその
側屈のしなりの張りが大きく使えます。
これがパワーの源で一瞬止まっているようにも
見えたり、ゆったりと振っているようにも見え
るのですが、実は胴体はミンチになりそうなほ
ど捻れてキツい動作なのです。
欧米選手はさらに腰を止めてテイクバックして
張りを強くしていますので、ミート率や方向が
良くなって、欧米では現在これがスタンダード
になっています。
タメの張りは筋肉が伸びたのが縮もうとする張
り戻りのパワーが使えますので難易度は上がり
ますが、より方向性が良く飛距離が出る技法と
言えるでしょう。