スイングで胴体はどう使う?

腹筋を使って引き落としにパワーを入れる


Question

 

全身を使って打つと聞いたのですが、胴体はどう使うので

しょうか?
肩を回したり腰を回転させるなどは理解できます。
それ以外にどんな使い方をするか教えてください。

 

Answer

 

まず捻転は皆さんご存知だと思いますが、欧米打法はその

捻転差を最大限にしている事を先にお話しておきます。

それは仰るように肩の回転なのですが、腰は止めたままテ

イクバックすると言うワインディングの技術です。

これによってミート率が上がり、体の張りでパワーも出る

事から 30 年ほど前から欧米では主流です。


さて、そのほかの使い方で一番飛距離に貢献しているのが

腹筋です。
引き落としには腹筋を使って後ろを向いたままお辞儀をし

ながら引き落とすのです。


これはバレ―ボールのアタックやテニスのサーブなどのス

ポーツ一般で使われる動作で、この縦の力が人体構造上横

の 10 倍の力が出せると言われており、杭打ちや薪割りなど

も同じように腹筋を使った縦の動作で効率を上げています。

 

この腹筋を使った引き落としは前屈と言う猫背にしながら

上体の上部から曲げる動作で、前傾とは違います。
前傾は股関節から胴体を真っ直ぐにしたまま前に傾けるの

ですが、この前屈は腰から肩までの間をできるだけ曲線に

するのです。

 

トップでは胴体は反り返えりながら伸ばすのですが、イン

パクトまでには体を丸めて猫背にするために、このパワー

は飛ばしの技の中では最大級です。


これは日本武道の居合いの引き落としと同じ動作で、恐ら

くこれ以上の胴体の使い方はないでしょう。

 

右上から左下に引き落とす動作は腕を落とす力だけではな

く、腹筋を使って胴体自体を曲げながら降ろし、腰から上、

しかも下から順にヘッド先までの時間差によってムチの効

果を出します。

ムチの速さは音速を超えるとまで言われているほど速い事

から、少しでもそれに近い効果を得るための動作と言える

でしょう。

 

この腹筋はダウンスイングの前半で最大の力を使い、後半

はボディーターンで横の回転力でスピードを上げます。

したがって肩をできるだけ開かずに飛球線上後方を向いて

いる時間を長くして引き落としをする事で縦に落とすパワ

ーが最大に使え、振り回されるほど回転が速まります。

 

また、体を右側屈をして弓を大きくしてインパクトの形を

作るのも胴体で、バンプ時の圧縮によって弾き出されるパ

ワーと体に対しては縦の引き落としでも、実際に手の軌道

はダウンスイング後半では地面に対しては横の動きに勝手

になっています。

 

欧米打法はこのように縦の力を最大限に活かすフォームで

打つ事で小柄でもキャリーで 300 Y を楽に超える事が出来

るのです。