タイガーウッズの持ち球

彼は 9 種類の球筋を打ち分ける

Question

 

タイガーウッズさんは

フェードヒッターですか?!

それとも

ドローヒッターですか?!

 

Answer

 

どちらかにしたがるのが日本のゴルフ界で、世

界のプロ達はどちらも打ちます。

タイガーはティーショットはコースによって右

に曲がっていればフェイドですし、左に曲って

いたり落ちる面によってはドローで打ったり、

状況に応じてチョイスします。

 

風が左から吹いている時にフェイドで打つかド

ローで打つかと言う質問で彼は、右が広く空い

ている場合は風に乗せてフェイドで打ち、狭い

場合には風にぶつけるドローで打つと答えてい

ました。

 

世界のトップ選手達はどちらでも打てるのです

が、日本人の解説を聞いているとすぐに彼は持

ち球がフェイドだから、と決めつけてドローで

打つと、あれ?彼はフェイドヒッターだったの

に変えたんですかね!と弁解をしています。

 

持ち球説は日本くらいで、自然に打ってどちら

に曲るかの傾向性は聞く事はありますが、どち

らも打てなければ世界に通用しません。

 

曲げ球はスタイミーな木の裏に落とす時しか使

わないのではなく番手間を出す時にも使うのが

定番で、これに高さと球筋を入れて 9 種類の球

を打ち分けます。

上段、中段、下段のフェイド、ストレート、ド

ローです。

 

彼の 150 Y のアプローチはお見事で、例えばグ

リーンの右にピンがあり、その手前にはバンカ

ーがあったとします。

彼はグリーンの中央にエイミングし、フェイス

をピンに向けてストレート打ちすると、軽いフ

ェイドでバンカーを避けてベタピンです。

万が一芯を外してショートしても花道、フェイ

ドが掛からずにすっぽ抜けてもグリーンの真ん

中です。

 

これが曲げ球のメリットで、スタイミーな木を

避けるだけではないのです。

 

また、グリーンが左から右に傾斜している時に

は 200 Y 先では止まらずにグリーンの右下に転

がって出てしまいます。

その時にはドローで右から回して傾斜にぶつけ

て止める打ち方をします。

 

タイガーはティーショットで何もない時にはパ

ワーフェイドで打ちますが、これは日本のアマ

チュアが打っているオヤジフェイドとは違って

アウトインで振っているのではありません。

 

球を左の外に出して目標の左を向いてアドレス

し、フェイスを開いて体に対してはスクエアに

打つ事で出るフェイドなのです。

タイガーがフェイドで打ったのを見て自分と同

じだと喜んでいる人がいましたが全く打ち方が

違います。

 

彼は 58 度で 60 Y から 90 Y の間を 1 Y 刻みに

打ち分ける事が出来ます。

打法を替え、球位置を変え、球筋を変え、高さ

を替えて縦距離を調整しますので、持ち球とか

言っているレベルではありません。

 

あまりにも難易度の高い打法で打っているだけ

ではなく、ショットの引き出しの多さはさすが

世界のレジャンドです。

 

日本が世界から取り残されている大きな原因が

この飛距離と引き出しです。

そろそろ世界に目を向けても良いのではないで

しょうか。