Question
バックスイングは左サイド(左肩)を左つま先方向に下げ、
縦振り意識とあります。
空手の突きでバックは左拳・ダウンは右拳を地面に突くイ
メージはよく例えられていますが、確かに横回転ではなく
縦回転になり捻転が深くなる気はします。
しかし、そうするとバックで左肩が下がり、ダウン・フォ
ローで右肩が下がるリバースピボットになりませんか?
理解不足ですみません。
分かりやすく教えて教えて頂けますか?
Answer
スイング軌道には 3 つあります。
肩、手、ヘッドです。
スイングは 3 重振り子ですので、まずは肩の軌道角によって
手やヘッドが大きく左右されます。
肩の軌道角とは地面に対してできるだけ縦軌道にすると言う
事で、これによって 3 軌道が一面化します。
理想はこの 3 軌道一面の上に球がある事なのですが、人体構
造上ほとんど無理なので、出来るだけ近づける事です。
この論理は肩の軌道上に遠心力で手が行き、手の軌道上にヘ
ッドが乗ると言うもので、高速になるほど顕著になります。
したがって、肩の軌道上に球があれば、速く振れば振るほど
良く当たるフォームになると言う事なのです。
欧米打法はタイガー以来、このコンセプトでサイドベンドを
導入し、肩をできるだけ縦回転にしました。
それ以前の中期の打法は肩軌道は水平にとか、軸に対して直
角にと言って、それが未だに日本の主流となっていました。
これでは肩は横に回転しているのに、手を無理やり縦にする
事で歪が生じて効率や精度が落ちてしまいます。
もちろん肩軌道を縦にするとダウンブローが強くなって、正
しいボディーターンができていないとダフリますが、左手首
を掌屈にしてハンドファースト、ハンドアップで打ってもぴ
ったりとバランスが合うフォームが作れるのです。
リバースピボットは背骨軸がブレてギッタンバッコンの明治
の大砲と言われるスイングになる事で、この肩の軌道とは直
接的には関係ありません。
しかし、左肩を下げて行く時は左側屈(レフトサイドベンド
)にすると当時に右側傾(*)を入れて第七頸椎を固定しな
がら回転させるのが正しい動きですので、左足方向に左肩を
下げるのではなく、右足方向に下げながらこの右側傾をしな
いと確かにリバースになると思います。
このように聞きかじり、YouTube などで中途半端な指導を真
似ていると、まず効果がでないだけではなく、スイング自体
をいじって崩す事がありますので、打法の全てを把握した上
で同時に取り入れないと上手く行きません。
このように安易に試行錯誤するとやたらと遠回りし、無駄な
時間や体力やお金を使ってスランプに陥ったり迷路に入った
りでしなくて良い苦労をするのです。
肩軌道を縦にするならその角度に手やヘッドに合わせる事で
はじめて成立しますので、全部交換する事になりますので解
かる人の指導のもとで行って下さい。
(*) 側傾とは腰から上半身を倒すだけですが、側屈は
上半身を曲線にしながら曲げる事と定義します。